チャンネルをあわせて
番組名 ＮＨＫジャーナル「新春インタビュー 川淵三郎氏」
ＮＨＫラジオ第１ ２００３年１月７日
（３１）
インタビュアー 山本浩アナウンサー
◇放送の要約
キャプテンの愛称の由来。サッカー協会会長は全国各地に存在し、それと＜会長＞の名前では、堅苦しい感じがして、そのため愛称を＜キャプテン＞にした。但し、お年を召した方は、まだ、＜チェアマン＞と呼ぶ人もいる。
アジア大会では、＜銀メダル＞を取った。このチームは、勝ち進む毎に強くなっていった。
次の＜アテネオリンピック＞では、更なる活躍をするかもしれない。今回のチームの選手達は、名前があまり売れていない。この大会で、名前を覚えられる活躍を期待したい。
ジーコ監督について。前任のトルシエ監督は「押さえ込む感じ」でしていたのと違って、ジーコ監督は、「自由を認めている」。これほど自由な感じだとは思わなかった。この方針は、自分自身で行動させることを覚え込ませ、そして、プレーの中で、自分のカラーを出させること。
ジーコは、「サッカーは、楽しむものだ」と言っている。選手自身も、サッカーを楽しむ感じでやっていければと思う。
２００３年の抱負。川淵キャプテンは、９つのミッションがあり、そのいくつかをスタートさせる。高校レベル（Ｕ１８）では、通称＜へたくそリーグ＞を始める。いままでは、優秀な人だけが公式戦に出場してプレーをしていた。例えば、５０人の部員がいれば、控えを入れて１５人しか出られなかった。３５人の人が出られない。＜へたくそリーグ＞とは、言い方が悪いが、一軍、二軍、三軍リーグの呼び方では、レベルが分かってしまうから。それと多くの人を公式戦に出場させ経験を積ませることを目的にしている。中学校では、指導者を送り込み、クラブチームを組織として確立したい。
それから、女子サッカーの登録人数を今の３万人から１０万人にしたい。また、ママさんサッカーを増やしたい。
理想郷について。地域社会を作りたい。今の日本では学校・会社などがメイン。それを地域主体でしたい。それには、核となる＜クラブハウス＞と＜緑の芝生＞が必要。Ｊリーグ発足の頃から、あっちこっちにコミュニティが出来てきた。あと３０年もすればヨーロッパ並みになると思う。
夢は。ワールドカップで世界一になるよりは、どちらかと言えば、どこでも、仲間達と一緒にスポーツを楽しむ環境を日本全国に作れれば嬉しい。
○感想
昨年は、Ｗ杯で盛り上がったサッカー界。そのサッカー協会会長の川淵キャプテンの話を聞けたのは、よかったと思う。サッカーをプロレベルへ養成するカリキュラムを着々と進めつつ、ジーコ監督の方針でもある「サッカーを楽しむ」ことを基本にして、２００６年のドイツ大会を目指し、なおかつ、幅広く老若男女が楽しめる、地域社会主体のスポーツ施設を作っていこうとする姿勢には、共感をした。
そこで一句、
「初春や未来へ向けてキックオフ」
